写真左:M&Aを公表したトラボックス代表取締役社長の吉岡泰一郎さん
ビジョナル株式会社、代表の南です。
本日、報道発表させていただきました通り、ビズリーチなどをグループ会社に持つVisional(ビジョナル)は物流業界に新規参入いたします。仲間として共に歩むことになったトラボックス代表取締役社長の吉岡泰一郎さんは20年間もの間、愚直にコツコツと事業を創り上げてきた実行力の方です。今日を皮切りに、私たちは新たな課題解決の道を共に歩むことといたしました。
そしてその第一歩として、なぜ私たちが物流領域に新規参入することになったのか、その想いについて記します。
事業こそが世の中を変革する
課題発見とタイミング
事業づくりは、仲間づくり
事業こそが世の中を変革する
さて、多くの方が「Visionalが物流?」と驚かれたかもしれません。もちろんこれは私たちにとって新たな挑戦です。しかし私たちにとってこの流れは必然でした。
なぜか。今、社会の抱える課題は日増しに大きくなっています。少子高齢化、低い労働生産性、人口減少。内閣府が公表している次世代の社会像を示す指針「Society 5.0」でも描かれている通り、こういった社会の課題は経済の発展と両輪で解決を目指す必要があります。
僕自身、5年程前からビズリーチ事業の運営を新経営チームに任せ、求人検索エンジンの「スタンバイ」や人材活用クラウド「HRMOS(ハーモス)」などのHR Tech領域の新規事業のみならず、事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」やオープンソース脆弱性管理ツール「yamory(ヤモリー)」という、HR Tech領域以外で、社会の課題を解決するための事業をゼロから立ち上げてきました。
僕は新規事業を立ち上げるのが大好きです。事業こそが世の中を変革するキードライバーであると思っています。事業を通じて起こしたムーブメントにより、社会の変革に貢献できることこそが、自分の仕事の本分なのです。
そして社会の大きな流れを観察しながら次の新たな課題解決の領域を探し、事業計画に落とし込む。また、ゼロからその計画を実行していくことが、当グループにおける自分の一番の役割だと思っています。
では、なぜ物流だったのか。
課題発見とタイミング
僕は、新規事業を立ち上げるうえで最も重要で、かつ難しいことは、課題を発見することだと思っています。ありとあらゆる手段を駆使し、世界中の情報を収集しながら、解決すべく課題の選定を行います。社会構造の変化、また技術の進化などの組み合わせで多くの課題は生まれると感じているので、社会の流れや背景まで徹底的に調査します。そして、もう一つ見極めるのが、事業を始めるタイミングです。
10年前、私たちがビズリーチ事業を始めたのは、日本の働き方が大きく変わろうとしていた適切なタイミングだったからです。また、4年前に開始した人材活用クラウドHRMOS(ハーモス)も、日本経済の生産性の低さが叫ばれはじめようとしていたタイミングでした。僕にとっての新規事業づくりは、常に「課題発見とタイミング」がセットで大切です。
個人的に物流業界に着目しはじめたのは一昨年ぐらいでした。
物流業界は、様々な産業を支える、国の経済インフラのような存在であるにも関わらず、業界全体の生産性がなかなか上げられていない。国や業界のレポートをいくつか読んでみたところ、多くの問題に直面していて、苦戦する姿が率直にもったいないと感じました。
またその頃から、デジタル・トランスフォーメーションという言葉をよく耳にするようにもなりました。たとえば、経済産業省の「デジタル・トランスフォーメーション・レポート」では、物流領域はIT化が遅れており、「企業の生産性を落としている可能性がある分野」と記載されています。社会を支えるインフラのような産業の生産性が上がらないということは、結果的に国全体の生産性が向上せず、国力が弱まっていくと僕は考えています。
そのような課題意識を持ちながら、物流業界の様々な方とお話をするなかで、たまたまトラボックス代表の吉岡さんとつながりました。
子会社化を公表したトラボックス
事業づくりは、仲間づくり
最後に、この課題に私たちはどう立ち向かうのか。
僕がB2B領域のITを活用したビジネスモデルを考える場合、まずは、かなりシンプルなところから始めます。この事業は、お客様の業務オペレーションを効率化するのか、もしくは、お客様の売上を効率的に増やすのか、について考えます。その後は、課題解決のフローを要素分解し、シンプルな仕組みに落とし込みます。また、初期段階はやれることより、やらないことを定めることを大切にしています。そして、お客様が「絶対使いたい・絶対解決できる部分」に絞り、サービスづくりのフェーズに入ります。
初期のビジネスプラン構築に並行して、経営チームを担う仲間づくりも始めます。
新生トラボックスの経営チームには、物流業界で誰もがその名を知るサービスを20年展開してきた吉岡さんを、テクノロジー面で支える経営のパートナーが必要でした。よって、新チームの立ち上げ期からGA technologiesで執行役員CTOを務めた石田雄一さんにチームへ加わってもらいました。ただ新生トラボックスを支える経営人材のリクルーティングは始まったばかりで、これからも一番力を入れていくところです。
Visionalが大切にするバリューに「事業づくりは、仲間づくり」を掲げているのですが、これまで多数の新規事業を立ち上げてきて分かったことは、採用にかける情熱や時間的投資こそが事業づくりを推し進めるエンジンであるということです。そして、採用ノウハウが蓄積されているのは、当グループの最大の強みのひとつです。
社会には解くべき課題がまだまだたくさんあります。時の流れと共に、世の中は便利になっていくことも多い一方で、その便利さの裏側には、今までなかった陰やくぼみができたりするものです。我々は、時代の変化によって発生している社会の課題をビジネスの種として捉え、そこで何かを生み出すことができるのではないかと、常々考え続けています。
Visionalでは、グループの創業の柱であるHR Techに続く、第二、第三の課題解決領域を見つけられるよう、HR Tech以外の事業領域において、ビジネスの生産性向上を支えられる新しい事業づくりを続けていきます。そして新たにその一環として、ゼロからの事業立ち上げ以外にも、M&Aも積極的に検討していきます。
新規事業を立ち上げている背景として、同時並行で別の新規事業を創りはじめていたり、M&Aを通じた新規事業領域を開拓もしています。Visionalという組織自体が、連続起業家のようなものにしていきたいです。
10年後には「えっ、創業事業ってHR Techだったんですね」と言われるくらい、多様な事業を展開していることが、我々が目指す経営ですね。
「新しい可能性を、次々と。」
10年後、想像もできない姿になっていく進化過程をどうか楽しみにしていてください。
<参考情報>
本稿はビジョナル株式会社代表取締役社長、南壮一郎氏によるもの。彼らの採用に興味がある方はこちら からコンタクトされたい
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