デンソーは24日、2020年3月期の連結純利益（国際会計基準）が前の期比73%減の680億円になりそうだと発表した。従来予想から1570億円の大幅な引き下げとなる。自動車部品のリコール（回収・無償修理）に備えた費用がかさんだほか、新型コロナウイルスの感染拡大で自動車メーカー各社が相次いで減産した影響を受けた。
デンソーが前期の業績予想を下方修正するのは3度目。最終損益はリーマン・ショック直後の09年3月期（日本基準）に840億円の赤字を出して以来の低水準となる。
20年3月期の売上高は4%減の5兆1500億円を見込み、従来予想から1100億円引き下げた。営業利益は81%減の610億円になる見通しで、従来予想から2190億円下方修正した。このうち自動車部品の品質費用が1800億円、新型コロナウイルスに伴う影響が430億円の押し下げ要因となった。
品質費用はガソリンを燃料タンクからエンジンに送り込むための燃料ポンプの不具合が主な対象という。燃料ポンプが停止し、走行できなくなる恐れがある。主な取引先のトヨタ自動車は3月、北米を中心として世界で約322万台のリコールを発表している。
新型コロナ関連の影響では欧米で取引先の世界完成車が相次ぎ工場を停止したことなどが響いた。トヨタは3月23日に北米の全工場を停止したほか、欧州やインドなどでも3月の中下旬に相次ぎ工場を休止している。各国・地域の政府の規制によりデンソーも海外工場を3月に一部止めていた。
デンソーは米国勢や欧州勢との取引も多く、世界の自動車生産低迷の影響を受ける。4月以降も大手自動車の工場停止は相次いでおり、21年3月期は一段と新型コロナの業績影響が拡大しそうだ。
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April 24, 2020 at 05:30PM
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デンソーの20年3月期、純利益7割減 新型コロナも影響 - 日本経済新聞
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