ヤマハ発動機は2020年5月29日、2020年12月期第1四半期(2020年1〜3月)の決算を発表した。売上高は前年同期比7.8%減の3959億円、営業利益は同29.2%減の254億円、当期純利益は同66.1%減の96億円で減収減益となった。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受けて、二輪車などのランドモビリティ事業やマリン事業の販売が減少したことが影響した。利益面では、為替の影響や船外機の販売台数減少、2019年に子会社化したヤマハモーターロボティクスホールディングス(YMRH)の収益性の低さがマイナス要因となった。
2020年12月期通期の業績見通しについては、2020年2月に発表した予想を取り下げ、未定とする。今後計画している投資はテーマを絞って実施するという。基盤事業強化の最低限の投資は継続していく。また、電気自動車(EV)用モーターは基幹事業の1つと位置づけ、投資は絞らない考えだ。
二輪車は赤字幅縮小
ランドモビリティ事業の売上高は、前年同期比6.8%減の2603億円、営業利益が同7.4%減の86億円となった。二輪車の先進国市場では3月から販売台数が減少したが、日本や欧州での生産台数増加による稼働率向上や欧州のモデルミックスが改善するなどプラス要因があった。これにより、前年同期より赤字幅が縮小した。
一方、二輪車の新興国市場では、インドネシアやタイで高価格帯製品が好調だったが、ベトナムやインドのモデルミックス悪化によって売り上げと利益が減少した。ベトナムでは、高価格帯よりもスタンダードな価格帯の製品の売れ行きが伸びた。また、ベトナムはCOVID-19の影響が比較的小さく、総需要も前年並みの回復を見せている。インドはこれまで高付加価値なスポーツモデルが稼ぎ頭だったが、スクーターの新機種の販売が好調で全体としてモデルミックスの悪化につながった。
2020年は本来、インドや先進国で環境規制に対応した新型車を投入して販売を伸ばす重要な時期だった。しかし、二輪車は欧米で販売が旺盛になる時期にCOVID-19による都市封鎖が重なった。規制対応の新型車は下期にも投入し、シェア挽回を狙う。
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