新型コロナウイルスが、着実に経済をむしばんでいる。東京商工リサーチがまとめた〈上場企業「新型コロナウイルス影響」調査〉によると、上場企業の売り上げ、利益ともにそれぞれ1兆円超が消えたという。
新型コロナ発生から3カ月あまり。上場企業が相次いで今期業績を下方修正。135社のマイナス分は売上高1兆1944億円、最終利益1兆1177億円に上ったという。最も痛手を被ったのが石油元売り大手のJXTGホールディングス。2020年3月期の最終利益を1550億円の黒字から4550億円引き下げ、3000億円の赤字予想とした。売上高も航空船舶輸送の減少などを理由に10兆4000億円予想から3500億円引き下げ、10兆500億円に修正した。
■製造、サービス、小売りが大打撃
コロナ関連で情報開示した上場企業は765社に達し、工場や事務所、店舗の稼働休止などに追い込まれた企業は18社に上っている。全上場企業3778社の20・7%がコロナショックに見舞われた計算だ。業種別では製造業が最多の317社を占め、4割超え。サービス業117社、小売業110社が続き、この3業種で7割となった。
消費増税による消費の冷え込みにコロナショックの追い打ち。政府は3月の月例経済報告で景気判断を3カ月ぶりに引き下げ、「新型コロナウイルス感染症の影響により、足元で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」とようやく景気悪化を認めたが、遅きに失している。
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