JAL、19年4-12月期の純利益28.4％減 通期見通し下方修正 - Aviation Wire

　日本航空（JAL/JL、9201）が1月31日に発表した2019年4-12月期（20年3月期第3四半期）の連結決算は、純利益が前年同期比28.4％減の763億1500万円だった。法人税の増加などが影響した。2020年3月期通期の見通しは下方修正した。

19年4-12月期決算を発表するJALの菊山専務＝20年1月31日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

　4-12月期の売上高は1億円減（前年並み）の1兆1308億7200万円、営業利益は17.4％減の1201億6800万円、経常利益は12.1％減の1218億4400万円で減収減益。営業益の減益は、減価償却方法の見直しによるもので、航空機の客室設備やエンジンなどを、これまでは機体と一緒に償却していたが、2019年度からはそれぞれの耐用年数で償却する。

　償却方法変更前の値で見ると、営業益は12.7％減の1269億円となった。

　営業費用は2.6％増の1兆107億円。このうち燃油費は1.1％減の1896億円、人件費が1.9％増の2302億円、機材費が13.0％増の947億円、エンジンなどの整備費は8.3％増の596億円、機内やラウンジなどに関するサービス費が3.0％増の354億円だった。営業利益率は10.6％（2.3ポイント低下）となった。

—記事の概要—
・国際線
・国内線
・為替と燃油
・20年3月期
＊ANAホールディングスの決算はこちら。

国際線

　国際線の旅客収入は2.8％減の3921億円。旅客数は1.5％減の676万9000人で、座席供給量を示すASK（有効座席キロ）は1.4％増の417億8100万席キロ、有償旅客を運んだ距離を示すRPK（有償旅客キロ）は0.4％増の338億3000万人キロ、ロードファクター（有償座席利用率、L/F）は81.0％（0.8ポイント低下）、旅客単価は1.3％減の5万7931円となった。

　ハワイ線を含めたリゾート路線は、2019年度から提供座席数を減らしている。4月から12月までのASKは前年同月比15.6％減、RPKは12.5％減。供給量を絞ったことで利用客は減少しているものの、供給量ほど減ってはいない。

　財務・経理本部長の菊山英樹専務は、「リゾート路線の利用率は上がっている。レベニューマネージメントの腕の見せどころで、ハワイ線は良いパフォーマンス（業績）が得られている」と述べた。

国内線

　国内線の旅客収入は2.7％増の4154億円。旅客数は2.6％増の2712万4000人、ASKは1.6％増の276億600万席キロ、RPKは3.2％増の204億4400万人キロ、L/Fは74.1％（1.2ポイント上昇）で、旅客単価は0.1％増の1万5316円だった。

10月に発生した台風19号の影響があったものの、エアバスA350-900型機を羽田－福岡線のほか、10月27日から始まった冬ダイヤでは札幌線にも導入するなどで需要喚起を図った。菊山専務は「需要喚起型の個人運賃が好調だった」と振り返った。

為替と燃油

　為替と燃油市況は、為替レートが1ドル109.0円、燃油費はシンガポールケロシンが1バレル77.7米ドル、ドバイ原油が63.8米ドルとなった。

　有利子負債残高は、2019年3月期末より138億円増え1562億円。自己資本比率は60.9％（19年3月期末比3.5ポイント上昇）となった。

20年3月期

　2020年3月期通期の連結業績見通しは売上高と営業利益、経常利益、純利益を下方修正。売上高が2019年3月期比0.1％減の1兆4860億円（300億円下方修正）、営業利益は20.5％減の1400億円（300億円下方修正）、経常利益は12.3％増の1450億円（260億円下方修正）、純利益は38.3％減の930億円（210億円下方修正）と、減収減益を見込む。

　国際旅客と国際貨物が想定を下回る見込みで、業績見通しを下方修正した。1月に入り中国を中心に拡大している新型コロナウイルスの影響は、下方修正には盛り込んでいない。菊山専務は「中国線は下振れするリスクがある」とし、注視する姿勢を示した。

　配当予想は1株あたり中間55円、期末55円の計110円（19年3月期と同額）を据え置く。為替レートは1ドル109.3円、燃油はシンガポールケロシンが1バレル77.0米ドル、ドバイ原油が1バレル62.6米ドルを想定している。

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日本航空

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