詐欺容疑で逮捕されたジャパンライフ元会長の山口隆祥容疑者＝１８日午前７時２９分、東京都文京区で（川上智世撮影）
磁気治療器などの預託商法を展開し、約２４００億円の負債を抱えて破綻した「ジャパンライフ」（東京、破産手続き中）の巨額詐欺事件で、同社が商品のオーナーになるために顧客から集めた「預かり金」を財務諸表上の「利益」に計上する不正経理を続けた疑いがあることが、捜査関係者などへの取材で分かった。警視庁は、同社が実際は自転車操業状態だったにもかかわらず、健全な経営状況を装っていたとみて調べる。
ジャパンライフは磁気治療器を購入させ、商品を別の顧客に貸し出すことでレンタル料６％の収入を得られるとうたった「レンタルオーナー制度」を展開。しかし、消費者庁の２０１５年９月の立ち入り検査では、商品の貸出率は１２％で在庫も数１０個しかなかった。
消費者庁は１７年２月に監査法人に同社の実態調査を依頼。会計帳簿上、商品が存在しない場合は「預かり金」として計上するが、同社は１３、１４の両年度、顧客から集めた現金を「利益」に計上していた。また負債が２００億円を超えた場合は、会社法に基づき外部監査の対象となるが、役員の公認会計士が一手に担っていた。
消費者庁の調査では、経理担当だった元財務部課長が１６年５月に退職する際、決算資料を破棄していたことも判明。警視庁は、不正を隠す意図があったとみて調べる。（木原育子）
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