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Thursday, May 28, 2020

日本生命:前期基礎利益1割減、保険料値下げや外債利息減-今期厳しい - ブルームバーグ

日本生命保険の前期(2020年3月期)基礎利益(保険本業の利益)は前の期比9.8%減の6958億円だった。保険料値下げや円高による外国債券利息の減少が影響した。

  28日の発表資料によると、保険料等収入は同5.8%減の5兆7193億円。海外金利の低下により外貨建て保険の販売が減少し、団体年金保険の新規引き受けが減った。朝日智司取締役常務執行役員は会見で、前期業績ついて「新型コロナウイルスの影響は限定的だったが、外部環境の想定以上の悪化を受け総じて厳しい1年だった」と述べた。

  今期(21年3月期)業績については、販売計画は未定、保険料等収入は新型コロナウイルスにより販売自粛の影響で減収を見込む。基礎利益は不透明だが厳しい状況となる見通しとした。また、今年度が最終年度となる中期経営計画のグループ事業純利益目標700億円は、新型コロナの影響を受けた海外金利の大幅低下で外貨建て保険商品の責任準備金積み増しなどが発生し「感染症拡大の世界的な影響を鑑みれば目標達成は困難」と朝日氏は話した。

  運用面について同氏は、「投資先の業績悪化により内外株式の配当減を通じて決算に与える影響も大きくなる懸念がある」と述べ、今後の経済の回復スピードに依存することになるという。

  同社では4月からは全国で訪問による対面営業を自粛。6月1日より顧客の意向確認をした上で、訪問などの営業活動を徐々に再開する方針。朝日氏は、顧客との接点の持ち方について、「デジタル化が一気に現実のものになっており、リアルを得意とする当社がリアルとデジタルをどう融合すれば顧客に受けて入れてもらえるか、新たな対面チャネルのあり方も検討したい」と述べた。

  これまでに公表した主要生保の前期業績は以下の通り。

単位:億円

(前の期比)

保険料等収入(%) 基礎利益(%) 利差損益(実績)
日本 57193 ( -5.8) 6958 (-9.8) +2208 (+2347)
第一 48854 (-8.6) 5349 (-11.7) +1164 (+1344)
かんぽ 32455 (-18.0) 4006 ( 6.2) +805 (+585)
明安 29118 ( -5.5) 6355 ( 0.3) +3186 (+2732)
住友 24467 ( -6.1) 3926 (-1.3) +965 (+766)
T&D 17535 ( 4.6) 1662 (11.1) +607 (+542)
富国 6300 ( 9.1) 826 (-9.5) +386 (+361)
朝日 3936 ( -0.8) 296 (22.2) -483 (-546)

※数値は連結またはグループ合算、ない場合は単体

※利差損益のプラスは順ざや、マイナスは逆ざや

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