中部空港(セントレア)を運営する中部国際空港会社の2020年3月期通期の連結決算は、純利益が前期(19年3月期)比26.4%減の47億4000万円だった。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響で、2月以降国際線を中心に運航便数が激減。開港以来最大の危機的状況になった。2021年3月期の業績見通しは、先行きが見通せないとして開示を見合わせた。
20年3月期決算を発表する中部国際空港会社の犬塚社長=20年5月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—記事の概要—
・20年3月期
・今後の見通し
20年3月期
2020年3月期の売上高は、2.0%増の655億8000万円、営業利益は22.8%減の76億4000万円、経常利益は22.0%減の72億3000万円と増収減益。営業費用は6.5%増の579億4000万円で、2019年9月20日に開業したLCC専用の第2ターミナルを中心とする空港南側の整備事業の費用がかさんだ。新型コロナの影響による減収は、50億円規模となった。
国際線の発着ゼロが続き閑散とする中部空港=20年5月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
売上高の内訳は、着陸料などの空港事業が3.0%増の298億8000万円、免税店など商業事業が1.0%増の328億9000万円、駐車場など交通アクセス施設事業が3.1%増の28億円となった。
空港事業は、国際線が前期比2億2000万円増、国内線が4億6000万円増、その他が2億円増。新型コロナの影響を受ける直前の1月は、国際線の便数が開港以来最高となる週486便を記録したものの、1月24日から武漢線が運休し、中国からの団体旅行禁止、国際線の成田と関西空港への集約と影響が拡大し、3月29日開始の夏ダイヤから国際線旅客便はゼロになった。国内線も移動自粛が強く求められるようになるとともに影響を受け、4月10日からLCCによる国内線が全便運休となり第2ターミナルを休館している。
商業事業は、免税店売上が3億8000万円増で過去最高を記録。交通アクセス施設事業は、駐車場売上が8000万円増えた。一方、営業費用は売上連動の仕入費用が9000万円減、物件費や人件費などが27億6000万円増、減価償却費が8億8000万円増となった。
国際線と国内線を合わせた総旅客数は2%増の1259万9916人で、8年連続で前年を上回り過去最高を更新。中国や東南アジア、台湾を中心に訪日客が増えた。総発着回数も9%増の11万2643回と、これまで最高だった2006年度(10.6万回)を上回り過去最高となった。(関連記事)。
5月22日に記者会見を開いた中部国際空港会社の犬塚力社長は、「大変厳しい。設立以来最大の危機的状況だ。1月までは好調に推移していたが、2月以降はコロナの感染拡大による影響を受けた。どんどん入国制限の国が増えて日々悪化し、想定を置く状況ではなかった」と語った。
今後の見通し
国際線が全便運休となった4月の業績については、「大変厳しい状況」と語る犬塚社長。一方で、例年は3月に発行している政府保証債を6月に前倒しするなどの資金調達を進めていることから、「当面資金が不足する事態にはない」と説明した。
各社の国際線が中部空港へ戻るのは7月以降か=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
今後の国際線再開については、7月からフィンエアー(FIN/AY)が成田や関空とともに中部も同時期に再開を予定している。国内でも緊急事態宣言が段階的に解除されていることから、犬塚社長は「まずは国内線から動き出し、徐々に回復するのではないか」との見通しを示した。
一方で、中部の国際線はアジアを中心に拡大してきたものの、長距離国際線となる欧米路線の拡充も空港発展の上で課題の一つになる。新型コロナウイルス収束後の国際線誘致の方向性については、「在宅勤務が少なからず定着し、今までよりリアルに出張するニーズが減るのは実感として何となくわかる。フェース・トゥ・フェースのコミュニケーションが必要という意見もあり、まだしばらく見極める必要がある」と、テレワークの普及で出張需要がどの程度変化するかを注視していくという。
また、第2滑走路の建設については「必要性が変わったわけではない。大規模補修が必要なタイミングが迫ってくる」とした。新型コロナの影響で先行きが見通せないものの、滑走路の補修なども考慮して必要性を国などに訴えていく。
運航便数が回復するとともに課題になるものもある。空港周辺で本来は飛行禁止であるドローンが接近する事例が近年相次いで報告されている。大幅な減収減益が見込まれる中、安全対策が迫られる課題の一つだ。犬塚社長は「対策を打ち始めて設備投資もしているが、それ以上の対策が必要であれば空港の機能維持の観点で必要」と、機能維持に対する投資は継続していく姿勢を示した。
関連リンク
中部国際空港 セントレア
運休
・ANA国内線、6月は69%減便 運休54路線(20年5月21日)
・ANA国際線、6月も9割運休 通常運航は成田-LA・シカゴのみ(20年5月21日)
・JAL国内線、6月も72%減便 運休38路線(20年5月20日)
・JAL、6月の国際線96%減便 貨物専用便は1000便運航(20年5月14日)
・スカイマーク、6月国内線80%減便 6空港で全便運休、サイパンは7月末まで(20年5月21日)
・エアアジア・ジャパン、全便運休6月末まで延長(20年5月19日)
・ジェットスター・ジャパン、国内線9割運休 成田-札幌・関西・福岡は減便(20年5月13日)
・ユナイテッド航空、成田-NYを6月再開へ 日本路線減便は7月まで延長(20年5月6日)
・中部空港、ターミナル内の営業時間短縮 LCC用T2は一時閉館(20年4月14日)
・タイ・エアアジアX、日本全路線6月まで運休(20年3月16日)
・ルフトハンザ、日本路線減便 感染拡大で(20年3月12日)
・キャセイ、日本7路線期間運休 新型コロナ、500便超に影響(20年3月9日)
・デルタ航空、日本6路線減便 羽田も対象、関空-シアトル期間運休(20年3月5日)
・中部空港で感染者確認 ベトナム経由で帰国、入国前検疫で(20年3月4日)
中部の動き
・中部空港、開港15周年 犬塚社長「第2滑走路必要」(20年2月17日)
・中部空港、LCCターミナル供用開始 初便は発着ともジェットスター(19年9月20日)
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実績と決算
・中部空港、20年4月旅客数6万人 国際線は全便運休(20年5月23日)
・中部空港19年度、旅客数1259万人 訪日客9%増(20年4月25日)
・中部空港、20年3月訪日客91%減 総旅客数は過去最低(20年4月25日)
・中部空港、4-9月期純利益0.5%増 免税店売上は15億円増(19年11月19日)
・中部空港19年3月期、過去最高益18.3%増64億円 20年通期、LCCターミナル開業で増収減益へ(19年5月20日)
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May 24, 2020 at 09:53AM
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中部空港、20年3月期純利益26%減 犬塚社長「国内線から回復」 - Aviation Wire
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