新型コロナウイルスによる新型肺炎の拡大に歯止めがかからない。延長された中国の春節(旧正月)の大型連休は、今日2日までとなり、3日に明ける。中国から渡航した人たちの帰国や、逆に中国に帰郷した人たちが世界各国に戻るUターンラッシュでさらなる感染拡大の恐れが出てきた。中国国家衛生健康委員会は1日、新型コロナウイルスの感染者は中国本土で1万1791人、死者259人と発表した。

タイ観光業界が大きな打撃を受けている。タイは中国人の旅行先として日本と首位を争うほどの人気で、昨年は約1000万人が訪れた。団体旅行の禁止などで損失額は最大1000億バーツ(約3500億円)に上るとの試算もある。観光は国内総生産(GDP)の2割近くを占める主要産業だけに、経済全体への悪影響も懸念されている。観光・スポーツ省によると、外国人観光客のうち3割近くが中国人。だが新型肺炎の影響で旅行のキャンセルが相次ぎ、タイ・ホテル協会によると、2月の予約率は30%程度で、例年の50%を大きく下回る見通しだ。